2006-03-29 どこもかしこも 詩をたしなんだりして 新月に照らされた歩道の上に 思い出深い歌のなかに 冬風の吹く公園のベンチに マザー・テレサの心のなかに 人のまばらな地下鉄のホームに 蛍が飛びかう夏の河原に 子供を産みおとした母親の胸に 遊園地の観覧車のなかに うらぶれたアパートの一部屋に 言葉なき赤ん坊の瞳のなかに 木造の学校のほこりが舞う廊下に クラクションの鳴り響くスクランブルのど真中に 夏の夜の浜辺に はしばみ色のきみの瞳のなかに 『愛』が舞いおりる