このシリーズは、ゆっくり読んでいこうって言ってたのに、もう読んじゃった。それというのも、本書は、ジョー・ピケットシリーズの第二巻で、なぜかわからないけど今まで翻訳されていなかった唯一の巻なのだ。それがこの年末に電子書籍オンリィで刊行されることになって、どうにも我慢できずに読んでしまったというわけ。
電子書籍初めてなんだけど、読了までの時間なんかがわかっておもしろいよね。これで読んでいると、いつもよりはやく読了した気がするんだけど、気のせいかな。まさかぼくがこの媒体を使うことになるとは。
で、本書なのだが、おもしろいよね。間違いないんだよね。今回一番驚いたのは、エイプリルがいたこと。そりゃあ、時間を遡ってるんだからいるよね。もう、胸がキューッてなってしまった。こういう形の再会は酷だよ。つらいよ。読んでいない人はなんのことかさっぱりだろうけど、もしこれからこのシリーズ読む人がいるなら、絶対順番に読むべき。そうすれば、ぼくみたいにつらい思いはしないで済むから。
内容なのだが、今回は環境保護団体の創設者で過激な活動で有名な男が新妻と共に牛の爆発(牛の爆発?って思ったあなた、驚きでしょ?そうなんです、文字通り牛の爆発なんです)に巻き込まれるところから始まる。それと並行して他の環境保護活動家たちがアメリカ各地で相次いで亡くなる。もちろん、そこには巧みに死を演出するプロの男たちの存在があり、ジョーの動向とその男たちの動向がカットバックで章ごとに交互に語られる。やがてそれがクロスして、タイトルそのままの追う者と追われる者のマンハント劇が展開される。
この、逃亡と追跡が緊迫してグイグイ読まされる。追う方は沈着冷静なマンハントのプロなのだ。もう恐怖しかないよね。今回はジョーもボロボロになってしまいます。あと、特筆すべきはジョーの美しい妻メアリーベスの過去が少し明らかになるところ。そりゃ彼女にも過去に付き合った男いるでしょうっての!それを知ったジョーは、いつもの堅物の衣を脱ぎ捨てて、嫉妬に身を焦がしたりしちゃうわけですよ。いやあわかるなあ、その気持ち。男ってそういうもんだよねー。
ま、ちょっと設定や展開に力技的な強引なところもあったけど、やっぱりこのシリーズはおもしろい。てか、彼らが大好きなんだよね。今度こそ、ゆっくり読んでいこうっと。