読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

井上章一「パンツが見える。  羞恥心の現代史」

ご多分にもれず。 そうです、ぼくもパンチラは好きなのです。これは幾つになっても、変わらない感情なのです。ただの布っきれなのに、どうしてそれが見えたときうれしいのか?これは、ぼくも以前から不思議に思っていた事でした。 著者の井上章一氏は、この…

田中兆子「甘いお菓子は食べません」

もちろんぼくは男だから、この短編集に描かれる6編に登場する不惑を過ぎた女性たちの心情は心底から理解できていないのかもしれない。でも、確かに共感できる部分はあった。 ここで描かれるのは、中年にさしかかった女性たちのパーソナルな問題だ。めぐまれ…

阿部智里「玉依姫」

シリーズ5作目にして、はじめて現代世界が物語に絡んでくる。というか、この作品がすべての作品の原点なのだそうで、女子高生だった著者がはじめて描いたファンタジー小説が本書だったということなのだ。 だから、物語の導入は異界へと紛れ込む女子高生とい…