いまさらながら気づくことがある
たとえば
人は心の中にもう一人の自分が居るってこととか
思いもよらない言葉が人を傷つけてしまうことがあるとか
表情は言葉以上にその人の気持ちを表していることとか
ほんとうは心の中でわかっていたことだけど
そういうことにあらためて気づかされる瞬間がある
こういう感覚は以前には感じたことがなかった
どうしてだろう?
これも歳をとったということだろうか?
以前は見えてなかったことが、歳を重ねて見えるようになってきたということだろうか?
それとも、歳を重ねて狡猾になったということだろうか?
よくわからない
窓の外を見る
暮れてゆく夕陽が空を真っ赤に焼いている
ぼくも一緒に焼いておくれ
その灼熱でぼくを灰にしておくれ
そうして、ぼくは再生する
すべてのしがらみを焼き捨てた新しいぼくが誕生するのだ
あかん、あかん、こんなこと考えたらあかんわ
いつもの自分ちゃうやん
こんなしょーもないこと考えるから、朝っぱらからお婆さん撥ねてまうんや
あんな怖い目には二度と遭いたないわ。昼まで足震えとったし
そやそや、今日は、はよ寝よ
寝たら全部リセットや
おやすみ、みんなおやすみ
明日は父さん、いつもの父さんになってるしな
みんなごめんな
今日は許してな