読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

野村美月「文学少女と恋する挿話集①」

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めでたく完結したこのシリーズ、まさかの新展開となって、うれしいやら戸惑うやらの混乱した心情なの

だが、その前に本編に付随するこのエピソード集を読むことにする。

ここに収録されているのは本編では語られなかったサブストーリー。あの話の裏ではこんなことが起こっ

ていたのか、あの言動の裏にはこんな心情が含まれていたのかと、本編を楽しんだ読者にはまことにうれ

しい内容となっている。

だがやはり短編なので、本編にあったようなドシンと重い辛さや厳しさは鳴りをひそめていて、そういう

意味ではまことに軽く読めてしまう。だから、ヘヴィなものを期待するとちょっと肩透かしでもある。

それにしても、やはりうれしいのだ。一応完結したということは、ぼくの気持ちの中でも一区切りついて

いたわけで、継続が断たれたゆえにおいそれとあのメンバーと再会はできないなと心にとめている。それ

は出版社の匙加減でどうにでもなることだから、いってみればぼくの勝手な思い込みでしかないのだが、

そうやって納得して忘れようとしていたメンバーにどういう形にせよまた再会できたのだから、これはや

はり懐かしくてうれしい出来事なのだ。

すいません、なんかまどろっこしいこと書いてしまいました。まるで、中学生みたいなこと書いてるなと

思いながらも止めることができませんでした。おそらくこのシリーズを読んで、気分も初々しくなってい

るのだろうと思われます。

それにしても遠子ちゃん、結構人気あったんだ。本編読んでるときはそういう記述が少なかったので、あ

まり気にしてなかったが、やっぱり彼女は美少女ですからね。それと、ひとつ不満をいえば、あのぼくが

贔屓にしているななせの登場がほとんどなかったことである。ま、おそらく次の巻でイヤというほど出て

くるんだろうけどね。

ともかく、これはこのシリーズのファンにとっては楽しめる内容だった。さらさらと読めてしまったけ

ど、十分納得でございました。