いま、皆川博子の「聖餐城」を読んでいる。もう一ヶ月近く読んでることになるのだが、やはり分厚いだ
けあって長いのね、これが。で、内容はどうなのかといえば、これもいままでの皆川作品にない感触で、
いわゆる戦記物なのだ。傭兵が描かれているから、あの傑作歴史小説の「傭兵ピエール」を想起してしま
うが、年代はこちらのほうが二百年もあとの話である。場所もフランスとドイツで違うけどね。
いつものような幻想味や残虐性をほとんど排除してあるので少しとまどうが、とても読み応えがあってお
もしろい。あと二百ページを残すところまできたが、歴史物ゆえ結末はすでにわかっている。皆川女氏が
それをいったいどういう味付けで処理するのかが、これからの読みどころである。
というわけで11月の古本購入記である。先月はもねさんからの思わぬ贈り物があって、一挙に皆川作品
が増えたというのはすでに記事で書いた。だから正しくは購入記にならないのだが、書名はここに挙げて
おこうと思う。未読の作品のみね。
「トマト・ゲーム」 皆川博子
「骨笛」 〃
「ゆめこ縮緬」 〃
「ライダーは闇に消えた」〃
「みだれ絵双紙金瓶梅」 〃
「秘め絵燈籠」 〃
「祝婚歌」 〃
「ダイナマイト円舞曲」 小泉喜美子
以上がもねさんからいただいた未読本。あらためて、お礼を申し上げます。どうもありがとうございまし
た、もねさん。
以下は購入した本のリストアップね。
「透明な季節」 梶龍雄
「雲雀」 佐藤亜紀
「天の夜曲」 宮本輝
「天使の梯子」 村山由佳
「横浜秘色歌留多」 山崎洋子
「本は寝ころんで」 小林信彦
「犯罪文学傑作選」 エラリー・クイーン編
「TENGU」 柴田哲孝
「血塗られた神話」 新堂冬樹
「わたしがアリスを殺した理由」 A・M・ホームズ
「ぶらんこ乗り」 いしいしんじ
「償い」 矢口敦子
「虚名の鎖」 水上勉
「幕府パリで戦う」南條範夫
「向日葵の咲かない夏」 道尾秀介
「ライダー定食」 東直己
「闇と影の百年戦争」 南原幹雄
「ひげのある男たち」 結城昌治
「修理さま 雪は」 中村彰彦
「最後のデイナー」 島田荘司
「サロメの乳母の話」 塩野七生
「戦国幻野 新今川記」 皆川博子
「化蝶記」 〃
以上23冊購入。皆川作品はオークションとネット古本屋で購入。他はすべて100均棚の本である。
だが、こうやって毎月古本購入記を書いてきたが、ほんとにもうストックしておく場所が無くなってきた
ので、もうそろそろセーブしなければならなくなってきた。以後はもっと控えるつもりなので、この古本
購入記もしばらくお休みになるかもしれない。でも、誘惑に負けて結構買ってしまうこともあるかも知れ
ない。あとは神の思し召しのままに。