「本が好き!」の献本第三弾である。
しかし、この本の書評はできることなら書きたくなかった。そう、ぼくはこの本まったく受け付けなかっ
たのだ。はっきりいって読むのが苦痛だった。
本書は第49回岸田國士戯曲賞を受賞した「三月の5日間」を小説化したものと、もう一編「わたしの場
所の複数」の二編をおさめたとても薄っぺらい本である。
の話である。これが三人称、一人称(僕、私)入り混じりのまさしく垂れ流しといった感じの文章で綴ら
れてゆく。このスタイルが悪いとは言わない。こういうのもアリだと思う。一人称部分の思考の流れをと
らえたモノローグは妙にリアルな感触で、実際つねに頭の中で繰り広げられている自問自答はこんな感じ
なのだろうと納得してしまうのだが、これはこれで結構煩わしいものがある。ぼくの頭が古いのかなぁ。
信じられない。少なからずショックを受けた。自分の感性を疑ってしまう。でも、これだけは譲れない。
ぼくは本書を否定する。真っ向から否定する。
「本が好き!」の趣旨から大きく外れてしまった。非常に残念だ。だから本書の記事は書きたくなかった
のだが書評を書くのが条件なので書かざるを得なかった。まったくトホホな結果になってしまったなぁ。