読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

ジョン・R・マキシム「ファイナル・オペレーション」

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これも、現在絶版なんですよね。

この本には、あらゆるジャンルをミックスしたようなおもしろさがあります。

先の展開が読めないっていうのも大きな魅力。

とにかく、読んでいてこれほどヤキモキしたり、快哉をさけんだり、うめき声を上げたりした本はありま

せんでした。

大きなジャンル分けでいったら一応スパイ物になるんですが、ぼくはこのスパイ物が大嫌いなんです。

だから、ル・カレもフリーマントルも読んだことありません。長じて基本的に冒険小説は苦手なんです。

戦争物や、国際スリラーなんてまったく受けつけない。

しかし、本書は違った。本書はスパイ物という体裁ながら、フタを開ければまったく違った顔を見せてく

れました。

本書の中で描かれるのは、家族や、恋愛や、友情や、ミステリー。様々な要素がごった煮のようにからま

りあって芳醇な香をたちのぼらせているんです。

続編もあるみたいなのに、一向に翻訳されないところをみると、本書の評判はさほど良くなかったんでし

ょうね。これほどの傑作はそうないと思うのは、ぼくだけなんでしょうか。