読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

古本購入記 2008年2月度

やっぱり新潮のクレストブックスのシリーズはいいよなぁ。ほんと全部集めたいくらいに大好きなシリー

ズだ。刊行されだした当初は、なんだこの軽い本は!と驚いて、どちらかというと白々しい目で見ていた

のだが、これが定着してみると好ましく思えてくるから不思議なものだ。利点として、軽いので分厚い本

でも読書の負担にならないところがいい。それにカバーをめくると英字でタイトルが書かれているのが、

なんともおしゃれである。これだけ見ると、英語の本なのかと思ってしまうのだ。

だからこのシリーズを買うと、とても幸せな気持ちになる。読む以前に所有しているだけで大きな満足感

を得られるのは、いまのところこのクレストシリーズと国書刊行会の『文学の冒険』シリーズくらいであ

る。まさしく、本好きの心をくすぐるシリーズだ。などと益もないことを考えていると、思わぬ出版社か

ら刺客みたいに本好きマインドをくすぐる本が出版された。ポプラ社創業60周年特別企画と銘打って堂

々と刊行された『諸国物語』がそれだ。たて235mm、よこ175mm、厚み70mm。A5変型版の

化粧箱入り1152ページときたもんだ。定価も6930円とかなりお高い。収録されている作家もチェ

ーホフ、ワイルド、トルストイ、ホフマン、ツヴァイクドストエフスキーキプリングフロベール


容できそうな本ではないが、これはなんとも魅力的ではないか。こういう本は一年ほどかけてゆっくりじ

っくり舐めるように読みたい。とっても欲しいが、いまのところ購入する見込みは薄い^^。そのうち手

に入れたいものである。


というわけで、2月の古本購入記である。先月は古本12冊購入。


を読んでブッたまげた著者の第二作だそうで、またまた驚かせてくれるんじゃないかと期待しているのだ

が、さてどうでしょう?

坂木司「仔羊の巣」は、いわずとしれた引きこもり探偵シリーズの第二弾。

村松友規「アブサン物語」は、猫好きとしては読んでおかなくてはいけないでしょう。

姫野カオルコ「ツ、イ、ラ、ク」は単行本でたときから気になってたんだよね。

最近見かけると買うようにしているのが東直己の私立探偵・畝原のシリーズである。一冊も読んだことな

いのに、これは買わなくてはいけないという使命感に駆られるということは、たぶんぼくの読書アンテナ

が敏感に反応しているのだろう。というわけで「流れる砂」「待っていた女・渇き」「熾火」の三冊を購

入。

ホセ・ルイス・サンペドロ「エトルリアの微笑み」は、スペインでは知らない人がいないというくらい有

名なロングベストセラーだそうで、日本のベストセラーにはあまり食指が動かないのだが、海外の作品だ

と気になってしょうがないのだ。

佐々木譲「笑う警官」は、1月購入の「警官の血」に続けて、これも買っておこうかと安易な気持ちで購

入。続物でもなんでもないのだが、なんだか一連の作品みたいで気になるでしょ?

ジョナサン・ストーン「三つの遺留品」は、なんとなく手にとって内容紹介読んで購入決定。だまされる

かもしれないとわかってても『戦慄の結末!』なんて文字には弱いんだよね。

嶽本野ばら「鱗姫」は、ホラー作品だということなので味見してみようと思ったのだが、この人京都の宇

治市出身なのね。すぐそこじゃん。知らなかったー。

恒川 光太郎「夜市」は、おそまきながら読んでみようと思った次第。これはかなり好評だったもんね。

というわけで以上12冊。

新刊はといえば、もう紹介済みのアラスター・グレイ「哀れなるものたち」、北村薫宮部みゆき編「名

短篇、さらにあり」、ピアズ・アンソニイ「ガーゴイルの誓い」、ジョン・スラデック「蒸気駆動の少年

」の4冊でした。

でもなぁ。これだけ買ってても読書できる時間が極端に少ないんだよなー。