恒例の古本購入記なのだが、このところ月をおう毎に購入する冊数が減ってきている。もしかしたら、も
う打ち止めに近づいてるのか、なんて思ってしまうのは杞憂だろうか?それともただ目につく本がないだ
けで、世の中にはもっと多くの購入意欲をソソる傑作が埋もれているんだと楽観的に考えればいいのだろ
うか?古本大好き人間としては、やはり一旦店に足を踏み入れたら、そこを出るときには成果を手にして
店を後にしたいと思うのが人情だ。手ブラで古本屋を出ることほど虚しいことはない。言ってみれば、限
定30食なんて数が限られているとってもおいしいラーメンを並んで待っている時に、自分の目の前の人
で打ち止めにされたのと同じくらい悔しくて虚しいものなのだ。
とまあ、戯言はこれくらいにして来月は掘り出し本や購入意欲をソソる本に出会えることを祈って、それ
では今月の成果をここに記すとしよう。
今月は数えてみると17冊購入していた。新旧とりまぜてである。今月いっとう最初に購入したのは、前
回紹介した福田栄一「玉響荘のユーウツ」である。これは、この人の二作目。表紙から察するに、ちょっ
とラノベっぽい扱いなのかな?この人の本は、もう一冊「あかね雲の空」も購入した。
もねさんの紹介で刺激を受けて購入したのが田中貢太郎「怪奇・伝奇 時代小説選集3」と南條範夫「脱
走」、「戦国残酷物語」の三冊。「怪奇・伝奇」って田中貢太郎が書いてたんだ。本屋で見たことあるの
だが、そのときはまったく気がつかなかった。どうしてだろう?この第三巻にはおもしろい作品が収録さ
れている。「天理教組物語」だって。あの中山ミキの奇跡の物語だ。南條作品は、とりあえず「戦国~」
から読んでみようと思ってる。有名なこの人の残酷物をじっくり堪能することにしよう。
若竹七海「悪いうさぎ」は、ブログ内でも色々話題になってた本なので購入。これもある意味残酷物語?
佐賀潜「華やかな死体」は江戸川乱歩賞シリーズだ。前月まとめて購入したときに漏れていたみたい。
ポール・オースター「偶然の音楽」は前々から欲しいと思っていた。映画「マグノリア」が大好きだから
オースターのこの本もきっと気に入るんじゃないかと思っている。
実はJ・G・バラードも一冊も読んだことないのだが、素敵な表紙につられて思わず購入したのが「コカ
イン・ナイト」だ。なかなか問題作っぽいところが魅力的。この人の「クラッシュ」はペヨトル工房から
出てたときに購入しているのだが、パラパラ眺めてみるとスゴイ内容なので未だ読んでいない。本書もそ
れに近い危なさを秘めているようだ。
珍しいので思わず購入してしまったのが赤江瀑「上空の城」。この人は短編をアンソロジーで何作か読ん
だだけなのでよくわからない。長編を読んでみるのもいいかもしれない。最近、この人の本よく出てるし
ね。
平安寿子「もっと、わたしを」は、この作者が気になってるからとりあえず購入。いつ読むのかな?
山田宗樹「黒い春」は、なんかおもしろそうなので購入。
C・A・スミス「イルーニュの巨人」は、以前から欲しいと思っていた。ぼくは巨人が好きである。
池井戸潤「仇敵」は、とりあえずこの人の本はすべて買おうと思っているので購入。
沢木冬吾「償いの椅子」は、この分厚さが魅力的。文庫本でこれくらいの厚みがあるっていうのは、とて
も期待が高まる。
その伝でいくなら池上永一「レキオス」も、きっとおもしろいはず。巻末には豊崎由美と大森望の熱い対
談が載ってるしね。
今野敏「アキハバラ」は、あざらしさんがオススメされていた本。確かにおもしろそう。
というわけで以上17冊。結構買ってるかな?