本好きの方なら、誰でも一冊は永年探し求めている本があるはずだ。読みたいのに読めないというジレン
マにやきもきしてる方は数知れずだと思う。そう、ぼくにもそういう本が何冊かある。存在を知ったこと
により、どうしてもその本を手にしたいと思っているのに、探して、探して、探しても影も形も見当た
らないというのもあれば、ようやく見つけたら手の出せない値段だったなんて困った本があるのだ。
本というものは麻薬と似ている。一度その魔力に囚われてしまえば、おいそれと抜け出ることはできな
い。知の遺産ともいうべき本の迷宮は限りなく広大で肥沃なのだ。
さて、そこで今回そんな永年捜索本を何冊か紹介してみようと思う。もうほとんどあきらめかけているの
だが、まだ一縷の望みは残ってる。そんな本たちである^^。
一冊目 シャーリイ・ジャクスン「こちらへいらっしゃい」
実はこの作者の本は未だに読んだことがない^^。でもホラー大好き人間としては、この作者の本を読
んでないというのは致命的な職務怠慢だと思うのである。本書は、見知らぬ停留所で降ろされた婦人が体
験する一夜の恐怖を描いた「夜のバス」などが収録されている短編集。無いとわかれば欲しくなるという
のが人間の自然な欲求。ぜひ、この手で触ってみたい。
二冊目 ルイージ・マレルバ「皇帝のバラ」
海水の青色で絵を描こうとして発狂する大臣、女の乳房にすがりつく皇帝。作者はイタリア人。しか
し、その作風はボルヘスを想起させるものらしい。いいですねー。これは面白そうだと思う。ぜひ、ぜひ
読んでみたい。読んでみたら、たいしたことないと思うのだけれど^^。
三冊目 山田風太郎「忍法相伝73」
ご存知、風太郎先生の最大の汚点である。しかし、ファンゆえの心理ともいうべきか、どんな駄作であ
っても心酔している作者のものなら、どんなことがあっても読んでみたいのである。今、amazonで
調べたら、ユーズドで5万の値がついていた。いくらファンでも、そんなに高いお金は払えない^^。
四冊目 シャルル・ソレル「フランション滑稽物語」
艶笑譚^^。発表された当時は、あまりの過激な内容に焚書にあったとか。しかし、現代の目から見れ
ば、たいしたことないのだろうとはわかる。でも、読みたいものは読みたい^^。
五冊目 アンドレ・デビュース三世「砂と霧の家」
映画をご覧になった方も多いかと思う。ぼくはこういう大河家族小説みたいなのが大好きなのだ。なの
に今は読めないなんて、DHCはなんて悩ましい本を出してくれたんだ!
とまあ、以上五冊簡単に紹介してみた。まだまだあったと思うのだが、いまパッ!とおもいついたのが以
上の五冊。ほんと、本読みって因果なものだ。読めないなら、あきらめればいいではないか。しかし、逆
に欲求の炎が燃え上がってしまう。これは死ぬまでなおらないんだろうなと思う^^。