ご安心ください。今回紹介する本は絶版本ではありません。
ディクスン・カーって相場が決まってるんですが、ほんとはこのクリスチアナ・ブランドがいっとうぬき
んでてるじゃないかと常々感じてるんですよ。
で、そのブランドの本を初めて読んでそう実感したのが本書「はなれわざ」なんです。
本書のスゴイところは、カーの「皇帝のかぎ煙草入れ」と同じくらい反則スレスレのトリックを扱ってい
ながら、まったくスレスレになっていないところでしょう。
むしろ、思わず拍手喝采したくなるほど見事に決まってる。
本書の一番の謎は殺人があった時、主人公である警部自身が容疑者全員と一緒にいたというパラドックス
にも似た謎です。
そう、警部自身が容疑者全員のアリバイを保証してしまうことになっちゃうんです。
さあ、どうです?読みたくなってきませんか。
是非、手にとってみて、そのドンデン返しの妙技に酔いしれて下さい。
そして、この本でブランドの虜になった方は、「緑は危険」、「ジュゼベルの死」、「疑惑の霧」といっ
たすさまじいまでの傑作群に読み進んでいってください。