読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

パウル・シェーアバルト「セルバンテス」

ドンキ・ホーテ・デ・ラ・マンチャについては、いつかは読んでみたいと思っているのだが、なかなか手が出ない。とりあえず、敬愛する皆川博子が言及していた本書を読んでみた。 といって、これは幻想小説に目がない皆川先生がパウル・シェーアバルトの紡ぐ奇…

クリスチアナ・ブランド「濃霧は危険 (奇想天外の本棚)」

ブランドだからといって飛びつくわけではないのだが、山口雅也氏の奇想天外の本棚の一冊だし、興味に抗えなかったというわけ。でも、やはりジュブナイル枠というだけあって、なんとなくいいくるめられた感のある御都合主義満載で、話の筋的にはありえない展…

ルシア・ベルリン「掃除婦のための手引書 ルシア・ベルリン作品集」

愛される理由はそれぞれだ。なにがきっかけになるかは千差万別、それこそ運命だ。また、幸せを感じるのは能力だ。それが幸せかどうかは、その人が感じるものであってその能力が高い人ほど幸せを感じとる機会が増える。気持ちの持ちようは、その人の性格を固…