読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2009-01-31から1日間の記事一覧

恒川光太郎「夜市」

ぼくの好みでいえば、表題作より「風の古道」のほうが良かった。人間界とは隔絶された幻の道。いにしえより人でない者たちが行き来してきた魔物の道。そこに迷い込んでしまった男の子の数日間の冒険が描かれるこの中編は、ファンタジーと怪異譚の境界をうま…