読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2008-07-27から1日間の記事一覧

皆川博子「聖女の島」

なんとも不思議な感触の幻想ミステリだ。本書を読む者は、始終言い知れない『歪み』を感じることになる。まさしく本書は『信用できない語り手』の物語なのだ。なのに一見したところでは、その不安の正体が見定められないようになっている。そしてラスト、凄…