映画の話題つながりなのだが、最近またまた遅まきながらリメイク版「タイタンの戦い」を観たので、少しそれに関する話をしようと思う。とりあえず、リメイク版のポスターをご紹介。
やはり最新のCG技術でもって甦ったリメイク版は、かなり迫力のある映画になっていて、とくにクラーケン登場シーンなどは大スペクタクル映像となってすごい臨場感だった。
だが、しかし、ぼくはそれでも旧版のほうに軍配をあげてしまうのである。旧版のポスターはこれね。
こちらは1981年に公開されたもの。いまから30年も前のことである。レイ・ハリー・ハウゼンが、あの人形をコマ撮りした「ダイナメーション」を駆使した最後の作品だ。だからこちらは一切CG合成はなく、すべての特撮をハリー・ハウゼンの製作した人形でまかなっている。以前にも何かの記事で書いたことがあるが、ぼくはこのダイナメーションの大ファンなのだ。小学生の頃に「シンドバッド虎の目大冒険」を映画館で目にし、その素晴らしくて魅惑的なモンスターたちの動きに狂喜乱舞した。
以後、テレビで「アルゴ探検隊の大冒険」や「シンドバッド黄金の航海」などをみてすっかりその魅力にハマッてしまったというわけ。
今の時代に「ダイナメーション」なんて、まったくお呼びでないのは百も承知だが、ハリー・ハウゼンの切り拓いた映画の可能性と精神は今の時代にもしっかりと受け継がれているはずだ。ありえない世界を現出しようと努力し続けた彼の功績はこれからもずっと称えられることだろう。
というわけで、これからがこの記事の本題なのである。前置きが長すぎた?でも、このことを語っておかないとぼくの気持ちがおさまらなかったのだ。
この記事の本題はまた本の話に戻ってくる。これも前に記事にしていたが、ぼくが読書の魅力にとらわれたのは山田風太郎の「伊賀忍法帖」に端を発する。それからいろいろ自分なりに試行錯誤して本の世界を渉猟することになるのだが、その過程で当然海外作品にも巡り合うことになる。ここで告白するが、ぼくが最初に読了した翻訳作品がこの「タイタンの戦い」の小説版だったのだ。著者は映画のノベライズを多く手がけるSF作家のアラン・ディーン・フォスター。彼の本を読んだのは後にも先にもこの一冊きりなのだが、当時ぼくはこの本をほとんどむさぼるように読んだ。ギリシャ神話の世界が好きだったし、モンスターは数多く登場するし、復讐譚としてもおもしろかったし、とにかく寝食を忘れるほどの勢いで読了したのだった。いまから思っても、この本はなかなかいい出来なのではないかと思うのである。ただのノベライズではなく小説としてしっかり書かれている本なのだ、これは。
で、実家に帰ったときに確かまだ本が残っていたはずだと探し出してきた。それがこれね。
表紙
裏表紙
もちろん、30年も前の本だ。もうボロボロだ。ぼくの宝物なのだ。よくよく考えるとぼくの読書事始は国内外共に映画絡みなのだなぁ。