読書の愉楽

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「夢のこと」に書いている記事について一言

 ブログ開設当初から途切れることなくコンスタントに書いている記事に「夢のこと」というのがある。

 ここではぼくがみた夢を紹介しているのだが、最近は夢にインスパイアされた別物になりつつある。

 夢というものは毎日みてるもので、それを目が覚めたときに憶えているかどうかが肝心なのだが、当然のごとく毎日それを完璧に憶えていることはない。でも、たまにストーリーとして完成されたような夢を完全に憶えている場合もあって、「夢のこと」に書かれている最初のころの記事はすべてそのタイプの夢なのである。「ガラスの靴」、「玉置浩二の母」、「奇妙なエレベーター」、「禿げる菌」、「二口症とピーコーヒー」、「妖怪『横なめ』」、「ヤ○ザ満載車」、「燃えるキリスト」、「通夜」、「風邪の時にみる夢」などの記事がそうなのだがこれらはほとんど何もさわることなくみたままの夢を記述している。

 それ以降の記事も基本的にはみたままの夢なのだが、それに少し手を加えている。だが大幅な変更や組み合わせなどはない。ひとつの夢をベースに書いている。

 だが、最近は完璧に夢のストーリーを憶えているということが少なくなってきた。だから、このごろは夢の断片をつなぎ合わせたり、脚色したりして記事にしているというわけ。

 たとえばつい先日アップした「黒塚」という記事なのだが、これにはベースとなっている夢が三つ含まれている。ひとつは日向の中にあって暗く沈んだ影をまとっているようなあばら家の夢。ひとつはガリガリに痩せおとろえている犬の夢。そしてもうひとつは気味の悪いおばあさんの夢。これらの三つの夢のイメ―ジを組み合わせてあの記事を書いた。それらの要素をこねくり回して、これは安達が原の鬼婆の話にできるなと考え、そうなればベースは時代物に設定したほうがいいなと思いああいう形になった。おばあさんに茶をもらうところは夢でみているが、その茶が『テラセンピの根』を煮出したものという部分は脚色。またそれが万代山にある仙人木で、五人の赤子と引き換えに手に入れることができる霊薬というのも脚色。何かを飲まされて動けなくなるという部分は気味の悪いおばあさんの夢からの引用、おばあさんの不気味な詠唱は脚色という感じ。

 その前の「霧の中」という記事は妻だと思って呼びかけた人が別人だったという夢と森の中でトランプの兵隊に会うという夢とヘンな顔の女性という夢が合わさって出来たもの。その他はすべて脚色だ。

 その前の「アリと重力」は、アリが人間の指を運んでくるという夢と地球の重力が極端に変わってしまうという夢が合わさっている。

 とまあ、こんな感じでさまざまな夢を組み合わせてひとつの記事にしているというわけなのだ。

 だから、最近は夢のストックが増えないことには記事が書けない。それがうまく組み合わさればなおいいのだが、そういう具合にうまく事がすすむともかぎらない。でも、ここの記事は自分でも書いてて楽しいのでこれからも続けていこうと思っている。自己満足みたいなものだが、表現の自由ということでいいでしょ、ね?