仕事場の先輩と一緒に大学の食堂で食事をしている。奢ってやるからなんでも食えといわれて、ぼくは人
肉料理を注文する。以前にも人肉料理は食べたことがあって、その時は頭だけ食べたのだが、脳みその旨
さが格別だったので、また食べてみようと思ったのだ。
先輩は人肉料理が好きじゃないらしく、普通の定食を注文したからぼくよりはやく料理が運ばれてきた。
豚しょうが焼き定食だ。とても旨そう。唾液が口内にあふれてくる。はやくぼくの料理もこないかな。
先輩が食べ終わった頃にぼくの人肉料理が運ばれてきた。今日も頭だけなのだが、今日は奢りだというの
で原田知世の頭を注文した。黄金色に焼けた肌が香ばしい匂いを運んでくる。顔はあとから食べることに
して、早速脳みそをいただくことにする。よく火が通っているので、後頭部に指をかけ力を入れるとパカ
っと頭が割れ、湯気のたつ脳みそが現れた。黄色い脂が浮いて、とてもジューシーな仕上がりだ。
ぼくはそれを指でつまんで、フワフワした脳みそをアチチと言いながら口に入れた。
うん?少し気持ち悪いぞ。何食ってんの?脳みそって、うええええぇぇぇ。気持ち悪い。でも、ちょっと
旨いかも?いやいや、やっぱり気持ち悪い。
様々な感想が頭を駆け巡り、混乱したまま、ぼくは目を覚ました。