さみしさの匂いを消してください
どうしてもぼくのところまで届いてしまうのです
あなたのさみしさは、悲しみの奔流となってぼくを包み込んでしまう
息をするのも苦しいくらいに、ぼくを包み込んでしまう
だから、さみしさの匂いは消してください
笑顔の消えたこの部屋で、荒野のようなこの部屋で
あなたの悲しみを全身にまとい
ぼくは、ゆっくり溶けていく
沈んだ世界がいまは眩しい
すべてを包むさみしさと、降り積もる悲しみに
もう
涙も涸れ果てて
口の端からこぼれる言葉は
空しく虚空に消えゆくばかり