読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

「秘密の動物誌」荒俣宏監修

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 みなさん、この本ご存知?この本が出版されたのは1991年だから、もう16年かあ。ということは知らない人も多いかな?

 

 本書はとある学者が集めた奇妙な生き物についての写真集みたいなものである。表紙の写真ではわかりにくいと思うが、中央になんか写ってるのが確認できると思う。小さいのでよくわからないと思うが、これは足のある蛇の写真なのだ。本文中の写真はこれ↓

 

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 どうですか?ぼくはこれ見たとき、正直ブッとんでしまった。驚いて目を見開き、開いた口が閉じなくなってしまった。だって信じられないでしょ?空飛ぶ象や火を吹くトカゲ、それに神話で有名なケンタウロスなんかが写真に写ってるんだもの。

 

 詳細な学術的説明文もそれらしいのが付いているし、これはホントにえらいっこっちゃ!と鼻息荒く興奮した。

 

 しかし、しかしである。これら非常に信憑性高いあたかも事実だったかのようなビッグニュースはすべて作り物だったのである。本書を読めば最後には種明かししてあるので誰でもわかることなのだが、これを知ったときには正直ホッとして少しガッカリした^^。

 

 ちょっと見ていただきたい。ぼくが騙された秘密の動物たちの姿である。↓

 

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 どうだろう?本物っぽくないだろうか?騙されたっておかしくないほどリアルではないか。これらは著者であるスペインの写真家が作ったもので、れっきとしたニセモノなのだ。でも、ぼくは最初見たときに鳥肌もんで驚いてしまった。巻末の種明かしの項で荒俣氏も書いているのだが、実際本書におさめられている動物たちに似たものが世界各国の博物館に展示されているそうである。あながち本書に登場する動物たちも何処かで生息しているのかもしれない。

 

 そんな夢物語を信じさせる魔力が本書にはある。ほんとうに楽しい本なのだ、本書は。でも、これもいまでは絶版なんだろうなー。