読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

マサミ・ストリート

どうしたことか道に迷ってしまった。ぼくはマサミ・ストリートに行きたかったのだ。なのに、またいつ

ものように迷ってしまった。

以前から方向音痴で何度もひどい目にあっている。一番ひどかったのが丁度15年前、当時仕事をしてい

た現場から、先輩のいる現場まで書類を手伝いに行くことになったときに迷った事である。

普通なら、ぼくのいた場所から先輩の現場まで車で20分くらいで着くはずなのに、そのとき迷ってしま

ったぼくがなんとか辿りついたときには3時間経っていた。その出来事はつい最近まで語り草になってい

た。こういうエピソードを語りはじめるといくらでもあるのだが、今回はこのくらいにしておこう^^。

で、夢の中である。ぼくは迷ってしまった。マサミ・ストリートに行くはずが、どうしたことかぼくが辿

りついたのはインリン・ストリートだったのだ。

おいおい、この通りはエラいことになってるぞ。インリンインリンインリンインリンだらけだ。

別にとりたててファンでもないぼくの目には、それはなんとも異様な光景だった。

インリンの等身大の看板がそこら中にたっていて、建物自体がインリンなんてのもあるし、通行している

車はすべてインリン仕様だ。

ああ、どうしてこんなところに紛れ込んでしまったんだ。ぼくが行きたかったのはマサミ・ストリートだ

ったのに。しかし、引き返そうにも怒涛のごとく押し寄せる人の波におされて、ぼくはどんどん奥へと流

されていってしまう。

ああ、インリンよ。おまえはどこまでもインリンだ。

でも、どうしてインリンなんだろう?