読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

虚しい世界

音のない世界で

きみの声を聞いた

やさしく心地いい

きみの声

星の降る夜に

遠くまで出かけたきみは

二度と戻ってこなかった

きみと最後に食べた

アイスクリームは

大嫌いになったよ

ぼくは

また音のない世界に戻り

目を閉ざした

なにも聞こえない

なにも見えない

しずかに

しずかに

ぼくは落ちてゆく

身体をまるめ

親指をくわえて

落ちてゆく

ぼくの女神

二度とあえないきみ

きみのいない世界

虚しい世界