といっても、このランキング正統なホラー(恐怖譚)としての成果を如実にあらわしたものではなく、そ
れが証拠にこの時の二位はキングの「グリーン・マイル」だったりする^^。
それはさておき、エイクマンといえばまとまって紹介されたことがなかった、いわば忘れ去られた作家だ
ったのだが、国書刊行会の『魔法の本棚』シリーズで陽の目をみる形となった。正統な英国ゴースト・ス
トーリーの書き手として、同シリーズにも名前のあがっているH・R・ウェイクフィールドと双璧を成す
重鎮であるにもかかわらず、時代の移り変わりとともに消え去りかけていたのが見事復活を果たしたとい
うわけなのだ。
ホラーに目がないぼくとしては、やはりこういう正統派の恐怖譚も押さえておきたいのでとりあえず読ん
でみた。伝統的な怪談話の雰囲気があり、落ち着いた語り口が解決をみない謎をいっそう引き立てる。う
~ん、ぼくの好みではない。はっきりいって、あまりピンとこない。表題作のみ唯一読んでる途中怖さを
感じたが、それもラストに至ってもろくも崩れさった。
この短編集にはゴースト・ストーリーというより、日本でいう『妖怪』を扱った作品が多い。得体の知れ
ないものである。これはイケナイ。こういうのをもってきてはいけない。一気にテンションが下がってし
まう。英国伝統のゴースト・ストーリーを期待していたのだが、どうも違ったようである。
本来なら、これだけ痛いしっぺ返しをくらわされた本は古本屋行き決定なのだが、本書は装丁がなかなか
素晴らしいので処分せずに手元に置いてある。
こういう性分だから、どんどん本がたまっていくんだなぁ^^。