読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

「やや稀少本の紹介」

 いつも貴重な本のコレクションを紹介してくださる「三頌亭日乗」のもね店長の真似をして、ぼくも家にある蔵書を紹介してみたいと思います。

 

まずは、早川SF文庫から。

 

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 「危険なヴィジョン」は、ハーラン・エリスンが編集したSF思弁小説の大アンソロジー邦訳第一弾。
この本が刊行されたのは1983年。あと二冊刊行される予定だったみたいですが、どうも打ち切りになったみたいですね。カルヴィーノの二冊は長らく入手困難だったんですが、何年か前に河出から復刊されました。しかし、これらを古本屋で見つけた時は思わず声を上げてしまいました(笑)。



次は今はなき福武文庫から二冊。

 

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 エリクソン「黒い時計の旅」も長らく絶版状態でしたが、昨年白水社から復刊されましたね。アドルフ・ヒトラーのために、ポルノグラフィーを書く男。IFの世界を描くパラレル・ストーリーとしてディックの「高い城の男」と双璧を成す作品です。エリアーデ宗教学者でありながら、幻想文学の第一人者でもありました。「ムントゥリャサ通りで」や「令嬢クリスティナ」などが有名ですね。「ホーニヒベルガー博士の秘密」は、福武文庫唯一のエリアーデ作品。こういう作品を文庫で出してるという意味で、福武文庫はサンリオSF文庫と並んで時代を先取りしすぎたんだと思います。



では、お次はそのサンリオSF文庫から三冊紹介しましょうか。

 

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 ディックは、サンリオSF文庫の中でもっとも刊行数の多かった作家でした。文庫の消失と共に入手困難になってしまった作品群は、そのほとんどが東京創元文庫と早川SF文庫から復刊されましたが、「時は乱れて」、「最後から二番目の真実」、「銀河の壺直し」の三冊は未だに復刊されていません。

 

スタージョンは健在なり」は二年程前に「時間のかかる彫刻」として復刊されましたね。
次はミステリ作品から二冊。

 

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 マクロイのこの作品は長らく探し求めていたのですが、ネットで知り合ったある方が親切にも譲ってくださった本です。手元にあると安心してなかなか手をつけないという悪癖が出てしまって、未だに読めてません(笑)。クイーンのジュブナイルシリーズが早川から刊行されていたのを知ったのは、この「黒い犬の秘密」を古本屋で見つけた時でした。このシリーズ、あと七冊ほど刊行されているみたいですが、未だに古本屋で見
かけることはありません。