この人の文章はあまり好きじゃない。高校生が主人公なのだが、妙に古臭い言い回しが鼻につく。
それがスタイルとして定着していれば文句もないが、中途半端な印象だ。主人公の奉太郎の造型にして
も、省エネ推奨者のネガティブな性格があまり好きになれない。
日常のミステリを扱っているが、それも少し弱い。青春物としての魅力があるかといえば、それもあま
り感じられない。おっと否定的な意見ばかりではないか。
しかし、これだけ否定的な印象をもったにも関わらずぼくはこの人に見切りをつける気はしないのであ
る。いったいどういうことか?自分でもよくわからないが、もう少しつきあってみようと思った。
センスは合わないのだが、これ一作でさよならしたくないと思った。この古典部シリーズもあとニ作出
てるみたいだし、他のシリーズも読んでみようと思う。
というわけで、現時点では保留状態だ。なんか軽すぎて物足りない感じだ。ライトノベルは否定しない
が、物語の背後に作者の影が見えないのは落ち着かない。もっと作者の匂いを感じたいのだ。
さて、次作はいったいどういう仕上がりになっているんだろうか。