読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

D・R・クーンツ「ライトニング」

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 クーンツは紹介されだした当時続けて読んだ。

 「狂った追走」、「ファントム」、「ウィスパーズ」、「ストレンジャーズ」、「戦慄のシャドウファイア」など、どれもみんなおもしろいのだが、なんだかパターンが固定化されていて同じ素材の焼き直しにみえてきた。

 でも、その中でも文句なく楽しめたのが本書「ライトニング」だったのである。

 本書もクーンツの好きなパターンである『美女と野獣』の物語なのだが、本書にはそこにタイムトラベルが絡んでくるのである。

 主人公は幼くして両親を亡くし、孤児院で少女時代を過ごした薄幸の女性ローラ。しかし彼女はいまでは幸せな結婚生活に恵まれ、幼い頃からの夢だった小説家としても成功をおさめていた。

 でも、そんな彼女には誰にも話したことがない秘密があった。それは、彼女が危機にあったときにどこからともなく現れて助けてくれる金髪の男性がいるということだった。

 とここまであらすじを書いてきてなんだかステロタイプの少女漫画みたいだなと思ってしまった^^。

 だがこれが読ませるのである。前半はローラの少女時代、後半はノンストップのジェットコースターサスペンス。緩急くっきりしていて、しかもどちらも無類におもしろい。

 ラストでは誰もが「アッ!」というだろう。恥ずかしいことだがぼくはアッ!と言ってしまった^^。

 どうなんだろう?この作品はクーンツの中でも人気あるのかな?

 ぼくはクーンツのいい読者ではないのだが、この本は胸をはってオススメいたします。とかいって、この本も絶版だったりして。