交通事故の夜、ケンカした。
いつのまにか、ぼくは泣いていた。
血のにじんだ君のブラウス。
すまないってひとこと言えばよかった。
好きだと言ってあげたこともなかった。
オレンジ色の街燈に浮かび上がった君の横顔。
よく笑った口元に滲んだ赤。
すまないって言ってあげればよかった。
愛してるって言ってあげればよかった。
こんな夜に。
こんな夜に。
なんでケンカなんかしたんだろう。
めまぐるしい時間がゆっくり過ぎて
君の目から涙がこぼれた。