2006-03-13 「帰る途中」 詩をたしなんだりして 街灯のあかりが葉にもれて君が哀しい。 町の塗装工場は夜遅くまで作業を続け、夜空に真っ赤な煙を吐きだしている。 ガシャンッ。 どうやら帰宅途中のOLと 運送トラックがぶつかったらしい。 ぼくは、口笛を吹きながら、家に帰る途中。 女の声。 助けを求めているようだ。 目の前を飛んでゆく蛍がきれいで 女を助けるどころではない。 次第に夜が白くなり、南の山のてっぺんの 鉄塔に吸いこまれて朝になった。 ぼくは、まだ家に帰りつかない。