読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

マイク・レズニック「アイヴォリー」

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まず、本書の主人公である象牙が実在のものだということに驚いた。

本書の冒頭には一枚の写真が載っている。

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どうですか、この写真。化け物みたいな象ではないか。マンモスなんじゃないの。

その象牙がたどる6千年以上の歴史を見事に描き出し、ロマンあふれる物語にしたのが本書なのである

各章それぞれが独立したエピソードで成り立っているのが、興をつないでおもしろい。

その各章の冒頭に少しだけ挿入されるキリマンジャロ・エレファントのモノローグも、ラストにむけて

集約され、月並みながら効果をあげている。

エピソードがそれぞれ素晴らしい。良質のミステリに似た謎解きあり、壮大な宇宙ロマンあり、自然に

対する人類への痛いメッセージあり、マサイ族の誇りに満ちた悲しい歴史ありと、みな深く印象に残っ

た。

とても余韻の残る物語だった。これを読んでレズニックが大好きになってしまった。

彼の最高傑作といわれる「キリンヤガ」は未読だが、これも近いうちに読みたいと思う。