本書を読んだのは、何年前だろう?
世評どおりの素晴らしい作品だった。
ごく平凡な女子高生の陽子が、突然異世界へと連れ去られてしまう。
もとの世界では八方美人で、自分というものを持たなかった陽子がさまざまな試練や苦難にあい、甘ちゃんだった自分にケジメをつけ、一国の王になるまでを描いている。
陽子が自分に目覚め、人間として成長していく姿が美しい。
十二国という国々も、そこで生活してる人々も、世界の成り立ちもよく練りこまれていて素晴らしい。
これでもかという苦難が陽子を襲うところは、その酷さに「愛を乞う人」を思い出してしまった。
とにかく、本書は傑作だ。続けてシリーズを紹介していきたいと思う。
といっても、もう出版されてかなりの年数がたつ上に、いまではジュブナイルの枠を飛び越えて紹介されてる本書をいまさら紹介というのも気がひけるが、読んでない人もいると仮定して紹介してしまおう。