純文学だとは思わないが、確かにおもしろい。
あいかわらずアメージングな世界が描かれており、独特な雰囲気はまさしく独壇場である。
舞台は閉鎖的なのに、その世界は驚くほどの広がりをみせている。
アリスの冒険のような話だが、ファンタジーの結構を保ちながらもそこは舞城、見事に新たな世界を構築している。
とにかく、あーだこーだ言ってもくどいだけだ。
はっきり言っちゃおう、ぼくは舞城君が好きだ。愛してる。
「九十九十九」で少し首を傾げたが、やっぱり全面的に認めちゃう。
彼はメフィスト賞をとって世に出てきたわけだが、「群像」なんて純文学系の雑誌に作品を発表したりして、ちょっと他のメフィスト受賞者とはスタンスが違っている。
ここポイントですね。
ミステリの枠におさまりきらない可能性がうかがえる。今後の活躍がほんと楽しみな作家だ。