読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

リチャード シュヴァイド 「ゴキブリたちの優雅でひそやかな生活」

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一度、実家で今まで見たことないような種類のゴキブリを見た。大きくて、平べったくて、脚も太い。タ

イやフィリピンあたりにいそうなやつだ。古い話だが、ジャミロクワイのミュージッククリップに出てた

やつと同じだった。

どうしてあんなゴキブリがいるのか不思議でならなかった。

でも本書を読めば、そういうこともあるんだなと思った。

ゴキブリがしぶといやつだというのはわかっていたが、これだけデータをあげられるとまさしく驚きの連

続だった。

何億年も前から地球に存在しているだけのことはある。このゴキブリというやつは、地球において究極の

生命体なのだ。

放射能を浴びてもびくともせず、水だけで一ヶ月近くは生きられる。水なし酸素なしでも数時間は生きら

れるというのだ。

作者は、これらの興味つきないゴキブリについての話と、自らの体験、そして世界各地のゴキブリと人間

の有様を描いて、とても読みやすく仕上げている。

この本を読んだ誰もが言っていることだが、本書を読めばその知識をみんなに話したくなってしまう。

ゴキブリは嫌悪の対象として誰もが認める存在なのだ。だが、かれらなくしては科学の発展がありえなか

ったのも事実なのである。

本書を読んでゴキブリを見る目が変わった。