折り返しですよ。佳境ですね。蟲毒という死のゲームの真の意味が明らかになってきて、しかしその思惑と周到な計画をいったいどう収拾つけるのか。参加者同士の闘いだけではなくて、主催側と参加者との攻防も描かれたりして、物語は様相を広げてゆく。
デスゲームという死闘が舞台なのに、ここには人と人との関わり合いの機微が描かれる。もちろんそこには、利を求める計算があったりもするのだが、概ね人は気持ちに重きをおきそれに準じて行動する。殺伐とした殺し合いの中で描かれる交流は、一時の清涼となって心に沁み渡る。しかし蟲毒、されど蟲毒。常に血の匂いが漂い、人が死んでゆく。
この巻では数が絞られてきた残り少ない参加者のバックグラウンドと共に蟲毒の目的は何なのか?誰が裏で糸を引いているのか?といった全体像が浮かび上がってくる。ここまでくると、読者としては思い入れの深いみんなに生き残って欲しいという無理な願いが生まれてくる。まさかそんな都合のいい展開にはなるわけないとわかっているのに、心の奥底ではそう願っている。とりわけ参加者の中で最年少でありながら、物語のキーマンでもある双葉には絶対幸せになってもらいたいと願っっている。ま、それは叶うだろうけど、彼女をとりまく仲間全員がめでたしめでたしとなるわけはなく、そこにはつらい結末が待っているんだろうなぁ。
さて、これは書いてもネタバレにはならないと思うのだが、前回の感想で書いた岡部幻刀斎に加えてこの殺し合いにはあと二人の化物がいるのであります。彼らが今後どういう動きをするかで物語の熱量が変わってくるものと思われます。三人のどれをとっても絶対関わり合いたくない、できることなら相打ちで勝手に死んでくれないかと思うほどの化物。次の巻でいったいどんな死闘が繰り広げられるのか、さっそく取り掛かりませう。
