読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

M・W・クレイヴン「デスチェアの殺人 (上)」

デスチェアの殺人 上 ワシントン・ポー (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

 今回はカルト教団絡みの殺人だ。基本カルトは、あまり好みでない。だからそれを扱っているミステリにはあまり食指を動かされない。事件自体も連続殺人ではないので、一人の死をめぐって上巻は終わった。しかし、いつものとおりのブレない面々の個性は健在でポーのやぶれかぶれだが智に角を立てない冷静さを兼ねたセンスある捜査や、ティリーの博覧強記ながら情緒の欠如した繕うことを知らないど正面トークに、ああまた会えたねと懐かしい気持ちになった。今回は、もう一人新たなチームメイトが加わったけどね。

 事件がそそられないから、あまり期待してなかったけど、読みだせばやはりおもしろく、ちょっと御都合主義的匂いもしないではなかったが、充分刺激も受けた。ポーがどんどん悪条件に追い込まれるのも、わかっているんだけどハラハラするし、それが落ち着くところへ落ち着くはずだからとタカをくくっていたら、下巻のオビにデカデカと『さらば、ワシントン・ポー』なんて書いてあるじゃないの!

 いったいこの静かな狂気に彩られた事件はどういう結末を迎えるのか?そうそう、言及していなかったけど、この話の冒頭でポーはトラウマ療法士の診察を受けているのである。ん?事は終息しているわけだよね?ポーはこうやって診察受けているけど、え?どうなってんの?なんか下巻読むの怖いんですけど。でも、読みますけど。

 というわけで、下巻へGO!