アンソロジー大好き。ちくま文庫のときは北村薫と宮部みゆきのお二方だったが、今回は有栖川有栖氏も参加しておられます。やはり、こういう企画って、それぞれ思惑あるんだろうけど、基本はこんなおもしろい作品あるんだよってスタンスだと思うのだが、今回はなかなか感慨深い作品もあったりして、え!蚊が飛んでるんですけど!えー、びっくりした。もう蚊?4月なのに蚊!びっくりだー、もう!!
すいません。まったく関係ないこと書いてしまいました。あまりに驚いたもので。そのまま文字に起こしてしまいました。で、なんだったっけ?そうそう、今回は驚きばかりじゃなくて、しんみりみたいなのもありまして面白かったです。ラインナップは以下のとおり。
「括弧の恋」 井上ひさし(北)
「秘嶺女人綺談 付・私的探偵小説感」 高村信太郎(有)
「十二月の窓辺」 津村記久子(宮)
「青塚氏の話」 谷崎潤一郎(有)
「さようなら、ハーマン」 ジョン・オハラ(宮)
「梅の家の笑子姐さん」 柳家小三治(北)
「北条義時--はじめは駄馬のごとく」 永井路子(宮)
「閃くスパイク」 フランク・オルーク(北)
「同じ夜空を見上げて」 三崎亜紀(有)
()内は選んだ人ね。これらの作品の最後、本書の解説みたいな感じでお三方の縦横無尽な各作品についてのお話が載っております。この解説が肝であり、作品を味わったあとにこの三人の語らいを読むのが楽しい。
で、この中で印象に残ったのは谷崎の超変態物(変態物でホラーでもある)と永井路子の歴史エッセイかな。谷崎は、まあ、ほんとに、よくこんなの作品にしたなとあきれちゃいます。頭の中で再現される映像はイヤラシサを飛びこえて恐怖でしかない。しかし、この語り手の死因が何かなのは最後までピンとこなかったなあ。心労?
永井路子の歴史エッセイは、ナンバー2として人生を全うした北条義時を語っていて、ぼくも有栖川氏と同じく「鎌倉殿の十三人」のキャストそのままで脳内再生しながら読んだ。しかし、三谷幸喜はこのエッセイを読んでドラマ脚本書いたんじゃないの?ってくらいあの大河そのままだったから驚いた。いろいろ思い出して楽しかった。
津村記久子「十二月の窓辺」は既読だったが、細かいところを忘れていて、え!そんなジェンダー描かれていた?通り魔そういう風に活かされていた?と驚いた。
先にも書いたように本書の後半は人生において乗り越えなければいけない何かや、避けること叶わないシーンなどが描かれる作品が多く、これはこれで良い。久しぶりに三崎亜紀読んだな。
というわけで、次巻も楽しもー。
