読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

ジェフリー・ユージェニデス「ミドルセックス」

イメージ 1

豊饒な物語世界を堪能しました。

これぞ小説を読む醍醐味というものです。

アメリカに渡ってきたギリシャ系一家の三代にわたる長い歴史。

ユージェニデスはそこに近親婚と、両性具有という稀有な、それでいてかなり魅力的な題材を盛り込ん

で、いままでにない壮大なサーガであり、アメリカの年代記であり、苦悩に彩られた青春記である本書を

描き上げています。

先に紹介した「精霊たちの家」も同じですが、やはりぼくはこのような物語としての魅力にあふれた長編

が大好きです。

読んでる間中、この話がずっと続けばいいのにと思いました。

こういう物語は、登場人物が魅力的でないと興を削がれてしまうのですが、本書に出てくる人たちはみな

とても魅力的でした。

ギリシャという古風な土地の因習を引きずって、新世界に溶け込みきれない愛すべき人たち。

どこかアジアの民族とだぶってしまうギリシャの人たち。

本書は、とても尾を引く本ですよ。