読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

ミル・ミリントン「 ああいえばこういう。 このあと続けてもう一回っていうのは、きついかも」

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 この本は、タイトルと扇情的な表紙のせいでだいぶ誤解されてるんじゃないかと思います。この本の原題は「僕とガールフレンドが口論してきたこと」。全編、これ笑いに満ちたエピソード満載で、久しぶりに本を読んで声をあげて笑ってしまいました。この本の作者、趣味で立ち上げた自分のHPで、ドイツ出身のガールフレンドとのいざこざを書いたのが好評で、とんとん拍子に本書を書くことになったんだそうです。となると、どうも本読みとしてはメディアに持ち上げられた一発屋みたいな胡散臭さを感じてしまうんですが、それはまったくの杞憂となりました。

 で、いったい何がそんなにおもしろいのかっていうと、主人公ペルのお気楽ぶり、ガールフレンドのウルズラとの日々の諍い、ペルが勤める大学図書館での数々の問題、クセのある登場人物たち、すべてにおいて類まれなる作者のユーモアセンスが爆発してまして、ホントこの本を読んでる間は楽しい時間を過ごさせていただきました。この本映画化が決まってるそうで、作者はぺルにユアン・マクレガ-、ウルズラにはケイト・ウィンスレットがいいなんて言ってるらしいですが、これもとても楽しみですね。

 とにかく、タイトルと表紙に臆さず、どうぞ手にとってみて下さい。