読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

竹本健治「かくも水深き不在」

五つの短編が収録されている。それぞれ、緊張感に包まれることこの上ない、なかなかの逸品揃い。まず一番目の「鬼ごっこ」では、朽ち果てた洋館にもぐりこんだ子どもたちが次々と鬼にされてゆく恐怖が描かれ、そこから意外な事実が判明する。続く「怖い映像…

皆川博子「辺境図書館」

編愛する皆川博子が耽読した数々の本。もうそれだけでご飯三杯いけちゃいます。残念ながらこの中で、読んだ本は一冊もなかった。積んでいる本はドノソ「夜のみだらな鳥」、クッツェー「夷敵を待ちながら」、エリクソン「黒い時計の旅」、ヤーン「十三の無気…