読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

フレイザー・リー「断頭島」

いかにもキワモノっぽい匂いがプンプンする一冊。「断頭島」(ギロチン・アイランド)だって、どうよこのネーミング・センス。これね、原題はランプライターといって点灯員という意味なのだそうだ。あまり馴染みのない単語だが、管理人みたいな意味合いらし…

今村夏子「こちらあみ子」

何を期待していたのか自分でもよくわからないのだが、本書の読後感は期待とは違った。突きつめて考えてみると、ぼくはささやかな感動を求めていたのかもしれない。でも、これは勝手にぼくが期待しただけのことで、もちろん作者にはなんの責任もない。でも、…

城平京「虚構推理」

ここに展開する驚異の物語はいままで見たことのない世界を見せてくれる。いや、こんな書き方したらまだ読んでいない人に誤解されちゃうね。本書は、純粋な本格推理の骨格をもった妖怪小説であり、限りなく非現実な世界を描きながらも透徹したロジックに支え…