読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2016-12-21から1日間の記事一覧

綿矢りさ「しょうがの味は熱い」

綿矢りさの小説の書きだしが好きだ。本書の場合はこんな感じ 整頓せずにつめ込んできた憂鬱が扉の留め金の弱っている戸棚からなだれ落ちてくるのは、きまって夕方だ。 こういう描写は好き。ぼくには思いつかない言い回しだ。「勝手にふるえてろ」の書きだし…