読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2016-06-04から1日間の記事一覧

アンドレーア ケルバーケル「小さな本の数奇な運命」

短編といってよいほどの作品だ。本が自らの人生を語るという設定は、いままで読んでいるようで実は読んだことがない。本書の主人公である『本』は、実在の本なのだが、それが誰のなんという本なのかが最後まで明かされない。 一九三八年に出版され、作者はノ…