読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

福澤徹三「怖い話」

豊かな人生経験をもっている福澤氏が、さまざまな事柄に関して自身が怖いと感じる話をそれぞれの項目ごとに書いているエッセイである。たとえばそれは、食べものであり、虫であり、都市伝説であり、映画であったりバイトであったり病院であったりするのだが…

遠藤浅蜊「魔法少女育成計画」

ここで一つ、ぼくの魔法少女遍歴を披露してみようと思う。記憶している中で一番古いのはやはり「魔法使いサリー」だ。しかし、ぼくはサリーちゃんはあまり好みじゃなかった。同様に「ひみつのアッコちゃん」もおもしろいとは思わなかった。ぼくが好きだった…

スティーヴン・キング/ピーター・ストラウブ「ブラックハウス(下)」

下巻では、いよいよ核心の『ブラックハウス』が登場する。この設定がまさしくホラーで、家の場所は巧みに隠されており、闇の力が作用するその場所は近づいてゆくだけで気分が悪くなる。周囲には聞いたことがないような異常な犬の唸り声が響きわたり、形の定…

ジョー・ヒル「NOS4A2 ―ノスフェラトゥ―」

まとまりのない感じなのだ。おおいに疑問なのだが、大きいくくりで本書は吸血鬼物になるのだろう。タイトルからして、そうだもの。しかし、その予備知識をもって本書を読みはじめると読者は大いにめんくらうことになる。本書に登場するチャールズ・マンクス…

宮部みゆき「ソロモンの偽証 第Ⅱ部 決意」

『決意』と名付けられた第Ⅱ部では、渦中の城東第三中学の生徒たちが事件の真相を追及するべく学校内裁判を開こうと奮闘する姿が描かれる。これは、常識で考えればまさしく茶番でしかない。現役の中学生、それも受験をひかえた三年生が一番大事な時期である夏…

平山夢明「デブを捨てに」

『最底辺で蠢く人々、場末の饐えた匂い、無国籍めいたフランクなネーミング、情や倫理とはかけはなれた世界で描かれる最低最悪な物語たち。』 これは前回の短編集「暗くて静かでロックな娘」を読んだときに書いた平山作品への感想である。 また、「ダイナー…