読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

古本購入記  2011年 6月

古本とは関係ないのだが、感銘を受けたのでちょっと一言。つい先日、NHKのBSプレミアムで「ダークナイト」をやっていた。ぼくはこの映画観たことがなくてその時にようやく観ることができたのだがこれが噂に違わず素晴らしい作品だったのだ。この映画は…

『聖なる血と希望の丘ニコラ教団』と夢の図書館

クァンメルクから北に数マイルいったところに、『聖なる血と希望の丘ニコラ教団』といういかにもいかがわしい名の宗教団体の本部がある。何もない砂漠の町で、道を通り過ぎるものといえば回転草くらいしかない辺鄙なところだ。教団の建物はガラクタの寄せ集…

北村薫・宮部みゆき編「とっておき名短篇」

「名短篇、ここにあり」「名短篇、さらにあり」に続く、北村薫と宮部みゆき選のアンソロジー第三弾なのである。次に「名短篇ほりだしもの」がきて合計四冊のアンソロジーが刊行されたことになる。アンソロジー好きには、なんとも堪えられない名作揃いのアン…

「寛永忍法帖」

刺髪天膳(さしがみ てんぜん)という最強であり最凶の刺客が来るという情報を得た公儀隠密伊賀組の服部億蔵たち一行は深夜、三舘ヶ原の廃寺に集い対応策を評議した。神楽千二郎(かぐら せんじろう)、濁酒十兵衛(どぶろく じゅうべえ)、蝦夷梵六(えみし…

セス・グレアム=スミス「ヴァンパイアハンター・リンカーン」

前作「高慢と偏見とゾンビ」で、驚きのマッシュアップ小説という盲点をついたような作品で話題をさらった著者の完全オリジナル作品である。でも、完全オリジナルといってもタイトルからもわかるとおり本書で描かれているのは、あの十六代アメリカ大統領のリ…

モーシン・ハミッド「コウモリの見た夢」

海の向こうの出来事ながら、9.11同時多発テロが我々に与えた衝撃は計りしれないものがあった。旅客機がビルに突っ込んでゆくという映画の中でも観ることのできないような凄まじい映像と、その後に続く貿易センタービルの崩壊。もう十年近くになるが、あの時…

南川泰三「グッバイ艶」

出会いはまことに不埒なものだった。酒を飲ませたらタダでやらせる女だといわれて、童貞の主人公はその女に紹介されるのである。それが、それから二十五年に渡り激烈な人生を共にすることになる艶との馴初めだった。本書はその艶と主人公である南川泰三氏と…

事件の行方

事件は薄汚れた下町で起こった。ぼくは、その日の朝から体調が悪く鼻の曲がりそうなオナラを30分に一回ぶちかましていた。おそらく前夜に食した韓国料理があまり合わなかったのだろう。豚の脂とニンニクを同時に食べると、いつもこんな調子だ。 そんなこと…

石川梵「鯨人」

週刊ブックレビューで、盛田隆二氏が合評で紹介されてた本で、他の出演者の方々も皆本書のことをおもしろいと興奮気味に話しておられるのをみて、どうにも読みたくなってしまった一冊。 インドネシア諸島のレンバタ島にあるラマレラという村に銛一本で巨大な…

若かりし頃のベック版「ダーティペア」その2

というわけで、前回調子にのって記事にしたダーティペアのお話の続きなのである。今回は前回よりもだいぶ少なめでございます。 「なんなのあの男。ハンサムな割には、やってることがエグいじゃない」 わけのわからないことを言うと、つかつかと男の方へ歩い…

古本購入記  2011年 5月

なぜだか、今月は結構買ってしまった。まだまだ新刊だと思われる本が105円で売られたりしてると思わ ず買ってしまう。それとか、ピピッと反応してしまうような本が色々見つかったから、やはりどうしても 手に入れたくなってしまう。そういうのが重なった。あ…