読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

古本購入記  2010年7月

みなさん、夜はエアコンつけて寝てますか?ぼくは、エアコンはつけずに寝ております。窓は全開だけど ね^^。さて、最近はAKB48にハマってたりするのである。遅かりしですな。You Tubeで、 『ネ申す』テレビなんかを観て楽しんでおります。あと…

梓崎優「叫びと祈り」

新人さんの連作ミステリということで、五編収録されているのだが最後の一編を除いて、すべて海外が舞台になっているというなかなかの意欲作だ。描かれる国のほとんどが、いってみれば一般の旅行者からみればマイノリティに属する辺境の地で、サハラ砂漠であ…

ジョージ・R・R・マーティン「タフの方舟 2 天の果実」

『タフの方舟』第二弾なのである。今回も短編が四話収録されているのだが、それぞれすこぶるおもしろかった。もうこのシリーズは間違いないのである。 というわけで、方舟なのだ。まあ、このアイディアはほんと素晴らしいね。この方舟と環境エンジニアリング…

『湖の幽霊』

最近話題になっているアバダムの東にある『湖の幽霊』を見に行こうと友人たちと出かけることになった。コンウェイの安宿で腹ごしらえをした我々は、一路湖を目指して馬を駆けた。時刻はとうに夜半を過ぎたと思われる頃ダッツが首を傾げながら大きな声でおか…

マルコス・アギニス「天啓を受けた者ども」

前回の「マラーノの武勲」は歴史小説だったのだが、今回は現代が舞台の大きな括りでいえば犯罪小説である。 南米と北米を股にかけた麻薬がらみのクライム・ノベルといえば、まだ記憶に新しいウィンズロウの「犬の力」が思い浮かぶが、本書はそれと同じ題材を…

若竹七海「バベル島」

素敵で怖い短編が11編。この人の本格的なホラー作品を読むのは初めてなのだが、なかなか楽しめた。収録作は以下のとおり。「のぞき梅」「影」「樹の海」「白い顔」「人柱」「上下する地獄」「ステイ」「回来」「追いかけっこ」「招き猫対密室」「バベル島…

真梨幸子「孤虫症」

まあ、なんとも変わった話だった。これほど展開が読めない本もめずらしい。しかし本書はちょっとでも筋を話してしまったらおもしろさが半減すると思われるので、未読の方がおられた場合を想定してあえてストーリーの紹介はせずに本書の感想のみで書いてみた…

川端裕人「The S.O.U.P.」

ぼくは本書を読むまで『ハッカー』と『クラッカー』の違いを知らなかった。この物語に出てくる大方の人と同じくして、ハッカーはインターネット上で悪意をもって攻撃をしかけてくる不正利用者のことだと思っていたのだ。しかし、それは間違った見識だった。…

戦争とトカゲ

タミヤのタイガー戦車のプラモが欲しくて、いつまでも眺めていたら店のおばちゃんが声を掛けてきた。 「ぼく、そのプラモデルがそんなに欲しいのかい?」 ぼくは驚いて振り返り、おばちゃんの顔をじっと見つめた。短く切った髪の毛をくるくるとパンチ・パー…

飴村行「粘膜蜥蜴」

これね、残念なことに話半ばで、まるっとするっとお見通しになってしまったのである。おそらくこういうオチになるんじゃないかなと予想してたらその通りになったので、逆に驚いてしまった。だから、ミステリ的興趣はあまり感じなかったのである。話的には前…