読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2010-03-20から1日間の記事一覧

「首長姫」

首長姫はしずしずと音もなく歩いた。朝ぼらけの研ぎ澄まされた空気が頬をピンと張りつめさせる。 庭のイタドリについた朝露の雫がきらきらと光っていたが、そこに巣をはった女郎蜘蛛が禍々しい気を周囲に発散しており、上向きだった気分がそれを見た瞬間一気…