その朽ち果てた小屋は、峠を越えた街道筋に岩に張りつく蟹のような恰好で建っていた。昼日中の陽光にてらされてさえ陰の中に沈みこんだような印象をあたえるその小屋には梅干の種のような婆が一人住んでいた。ガリガリに痩せてあばら骨が浮き出ている貧弱な…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。