読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

乾くるみ「イニシエーション・ラブ」

ブログ内での評判や、つい最近文庫化された経緯からこの作品はぜひ読んでおきたいと思っていた。 とにかくラストで世界が反転するすんごいミステリだということで、もうワクワクしながら読み進めてい ったのである。 物語的には、本書はミステリではない。謎…

第3回ミステリ学部課題『私の○○○ミステリ』

しろねこ校長から『私の○○○ミステリ』と『ミステリ作家について』という 第3回ミステリ学部の課 題が出されました。 というわけで、こうやって書き出してみたのはいいけど、いまこの時点でいったい自分が何を語ろうとし ているのかは定まっていません。とに…

家族団欒

家族の顔がみんな違うのに、ぼくはそんなこと気にせずに談笑している。 妻は、会ったことも見たこともない40代の小奇麗な女性。眼鏡をかけている。 長女は、どこかで見たことがあるのに思い出せない。笑顔が可愛い子だ。朗らかでやさしい感じがする。 長男…

アラスター・グレイ「哀れなるものたち」

先頃、著者の処女長編である「ラナーク 四巻からなる伝記」が刊行され、ぼくも熱狂して購入したまではよかったが、いまだ手をつけるに至ってない。そうこうしてるうちに驚いたことに続けざまに本書が刊行され、こちらの方が手軽に読めそうだと判断して読んで…

万城目学「ホルモー六景」

衝撃のデビュー作の続編ということで、前回大いに楽しんだ人には文句なしに楽しめる本になっている。 ホルモーに関連する話が六篇おさめられているのだが、スタンス的には続編というよりはスピンオフだ。 各篇趣向が凝らしてあって、まったく飽きさせない。…

宙に浮く娘

娘の身体が宙に浮くようになってしまった。原因は皆目わからない。どこに相談すればいいのか散々悩ん だ挙句、NASAに問い合わせてみた。 「お忙しいところすいません。ちょっと相談したいことがありまして」 「はい、なんでしょうか?」 「えーっと、あ…

筒井康隆のこと

読書の虜になった当初、こんなにおもしろい作家がいたのかと目をみはる思いで読んだのが筒井康隆だっ た。もういまではファースト・コンタクトがいったいどの本だったのか記憶の果てに消えてしまって、特 定することは難しいのだが、彼の描く不条理でブラッ…

古本購入記 2008年1月度

今年はじめての古本購入記である。今月は23冊20作品購入。どんどん未読本が増殖している^^。 なかでも一番のめっけもんだと思ったのがメアリー・ウェズレー「怪しげな遺産」だ。不勉強にして、こ の作者のことはまったく知らなかったのだが、イギリス…

本谷有希子「江利子と絶対」

「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」で注目した本谷有希子のデビュー作だそうである。 本書には三つの短篇が収められている。巻頭の表題作でもある「江利子と絶対」は、引きこもりの女の子 が主人公。引きこもりといえばネガティブな連想に結びついてしまう…