読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2006-09-27から1日間の記事一覧

ベヴァリー・スワーリング「ニューヨーク」

アメリカ建国以前の1661年開港まもないニューアムステルダムに、理髪師にして天才外科医の兄と、調薬 師の妹が降り立つところから物語は始まる。そこは、のちにニューヨークとして世界でも有数の大都市と なる場所。そんな黎明期のアメリカの混乱した時代を…

アンリ・トロワイヤ「クレモニエール事件」

物語の切り口が新鮮だ。冤罪裁判の判決が出てから動きはじめる物語なんて、いわばクライマックスが済んでしまってるみたいなものだ。いったい、この後どう話が続いていくのだろうと興味津々だった。これは皮肉な話だ。良い結果がすべてを悪い方向に導いてい…