読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2006-03-28から1日間の記事一覧

情景1

夜に沈む山の影を見ると不安になる。 あなたは、いつも通り夕餉の支度。 トントンとまな板を打つ包丁の音。 あなたの背中には、悲しみが見える。 ゆっくり身体を蝕む病魔のように、 ためらうぼくに不安がのしかかる。 髪を切ったのはいつなのだろう? いま、…

ジョン・ダニング「死の蔵書」、「幻の特装本」、「失われた書庫」

読んでみて、待ってましたこんなの読みたかったんだよと快哉を叫びたくなる本というものがある。 ジョン・ダニング「死の蔵書」がまさにそういう本だった。 この本のどこに狂喜乱舞したのかといえば、それは古本マニアが随喜の涙を流してしまうあまりにもマ…