読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2005-12-21から1日間の記事一覧

トマス・H・クック「緋色の記憶」

この人は、もっと読まなくてはと思いながら、今現在で読んだのは本書一冊きりである。 老弁護士が回想する70年前の事件。 ニューイングランドの小さな町にやってきた美しい女教師が巻き起こした波紋「チャタム校事件」。 幼き日々を振り返り、やがて到達す…

アリステア・マクラウド「冬の犬」

前作「灰色の輝ける贈り物」も素晴らしかったが、本書も良かった。 っていうか、この人の作品を悪くいう人なんていないから、あらためて書くこともないのだが、しかしいい! マクラウドの描く世界は、哀切に満ちて叙情にあふれている。自然の厳しさ、家族の…